Reconnect 03
◆3 無数の剣が立つ丘の上。絶えず風が吹く荒野の中、聞こえるはずの無い声がエミヤを呼んだ。本当に呼ばれたのかは分からなかった。ただ、呼ばれた、とエミヤは感じた。ひどく懐かしい声に思えた。高過ぎず、低すぎず、少しこもった…
続きを読む →◆3 無数の剣が立つ丘の上。絶えず風が吹く荒野の中、聞こえるはずの無い声がエミヤを呼んだ。本当に呼ばれたのかは分からなかった。ただ、呼ばれた、とエミヤは感じた。ひどく懐かしい声に思えた。高過ぎず、低すぎず、少しこもった…
続きを読む →◆2 柔らかな光が、あどけない顔で眠る少年の瞼を撫で、夢と現の狭間で揺蕩っていた意識をぷかりと浮上させる。瞼を縁取る睫毛がふるりと震え、むずがるような仕草で眉根が寄せられると、しばらくして、蝶の羽化の瞬間のようにゆっく…
続きを読む →◆1 「世界」というものは気紛れである。彼/彼女自身にとっての最重要事項は人理の存続であり、人類の営みに影響が及ばないような事柄は午睡のまどろみの中で見るひとときの夢のようなものなのだろう。生と死、安寧と混沌、喜びと悲…
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